CAD上で積算処理をする、という事は
CADで作図された部品を集計する、という事である。

部品というのは、意味のある図形である。
ただの四角ではなく、ただの円でもない。
「机」を示す四角であり、円であるのならば、
図形に「机」という情報を与えなければならない。

例えば、ブロック名「机」により四角や円をブロック化する。
或は、ブロック化された四角や円に対して、属性情報「机」を付加する。

例えばその机にメーカー名や型番があるとすれば
ブロック名に、それをそのまま入力するのか
それとも
属性情報として「メーカー名」=「○○」、「型番」=「△△」を付加するのか
それをどうするのかは、個人個人が決める事ではなく、社内規格として定義するなり、標準規格として定義されたものを利用するなりして、共通化を図る。でなければデータはぐちゃぐちゃになり、積算処理プログラムを作るのも難儀する事だろう。

属性情報には、材質、重さ、外形寸法、標準価格、等々入るかもしれない。文字だけではなく、例えば重心位置のような座標値(点情報)や、中心線やピッチ線のような線情報・円情報等も必要かもしれない。或は何らかの計算式のようなものも必要かもしれない。


普通の一般的な2D-CADの場合、
属性、といえば、
レイヤー、色、線種、線幅、ハッチング線、寸法線、グループ
等のようなものを指す場合が多い。
しかし、より自由度のある情報付加手段が求められおり
例えば AutoCAD では
属性定義(ATTDEF)・属性文字(ATTRIB)
というデータが存在し、ブロック内に属性定義を記述し、そのブロック図形を配置する際に、属性定義された項目名に対する値を入力して(属性文字付加;入力せず固定的な内容=定数の定義も可能)、意味を持たせた図形を扱う事が出来る。属性書き出しコマンドというものもある。

Jw_cad ではどうか?というと
Jw_cad にブロック化の機能はあるが
属性定義・属性文字の機能はない。
従って、それは別のもので代用すれば良い。
文字であれば、文字データとして記入する(印刷させたくなければ補助線色にする)。だがしかし、前述したとおり、Jw_cad の外部変形仕様では、ブロック図形内にアクセスする事は出来ないため、それなりの別手段を取らざるを得ない。その文字データの内容も、通常の文字とは差別化する必要があるかもしれない。

そして、その図形データの作成方法をきちっと決めて、それに従って、図形データの作成を行う必要がある。例外は認めない。

仮に
1メーカーの標準部品数が 5000 あるとすれば、その 5000のデータを作成する必要がある。メーカーが 30 あれば、30×5000=150,000のデータを作成する事になる。パラメトリックなエンジンを作成すれば負担はある程度軽くなるだろうが、それでもデータ数は多くなるであろうから、それなりの工数は必要になるだろう。