遥か古のDOS時代、AutoCAD EX2・GX3をはじめ、
種々様々なCADソフトがありましたが、当時は
 寸法=線分・円弧・文字・点の集まり
でした。それが普通でした。

勿論、図形に寸法をつけて変形したら 寸法値もそれに合わせて変化させる、という機能があるCADソフトも多かったですが、変化しないソフトもありました。
なぜ寸法図形要素というのが無かったのか?というと、おそらく、データベースが複雑化する事と、単純なメモリ容量の絡み、PCの速度が遅い事、だったように思われます。画面表示やデータ検索の際に寸法図形要素をいちいち線分・円弧・文字・点等に分解して、等とやると遅くなりますし、かといって、作図時に寸法図形要素と中身の線分・円弧・文字・点等を別々に持つと、その分、メモリを食います。
一般的なPC-9801シリーズではメインメモリ640KB、そのうちDOSのシステム等とプログラム本体とスタック等を除けば、データとして使えるメモリはその半分も無かった、かもしれません。
なので
外部メモリを使う事になってくるんですが、当初は、1MBのメモリボード、2MBのメモリボード、4MBのメモリボード、が主体だった訳です。DOSエクステンダーを使ってプロテクトメモリとして利用する方法、I/Oバンク切り替えで利用する方法、私のソフトは EMSメモリとして利用する方法を採りました。私のソフトは倍精度値で扱ってましたが、メモリを節約する為、単精度値のソフトや整数値のソフトもありました。

DOS時代に寸法図形要素を実装しているCADって事で初めて見たのはおそらく、「シュタール 2.0」(SOFT-PRO)というソフトです。J&Pテクノでデモしてましたねw そのあとに「AutoCAD GX5」を見たんじゃないかと思います。まぁ見ただけですけどw

それは置いといて
私のソフトのデモで愛知出張した時、そこで EWS(オフコンみたいな奴)のCADをちらっと見せてもらったんですが、コーナーに面取りを入れ、面取寸法を描いて、その面取寸法をピックして数値を変えたら図形も寸法値も連動して変化する、ってのを見せて頂きました。
これがパラメトリック

そのかなりあとに、SolidEdge(3D-CAD)を使う機会があったのですが、これも当然パラメトリックで、図形に寸法を付けて、寸法値を変えたら図形も連動して変わる。勿論、変えられない条件=拘束条件ってのが出てくる訳で、色々と勉強させて頂いたものです。

どうもね、この3D-CADでのパラメトリックって、コマンドヒストリーを持ってて、数値変更は、その作図を行った所まで戻り、数値を変えて、その後のコマンド実行を行って現在時点まで戻す、みたいな歴史改変みたいな事をする様子なのですね。いや、アンドゥ・リドゥのためにヒストリー分岐をするって話も聞いた記憶があるので、歴史改変ではなく、世界線の変更(パラレルワールド)って事になるのかな?

というわけで「寸法」と一口に言っても
これまでどういう実装がされて、どういう扱いになってて、どんなメリット・デメリットがあるのか等、ソフトによって種々様々(ある程度のパターンはあるとしても)だと思いますが、CADである以上、寸法作図コマンドがあって、数値確認し、印刷する、という最低限の機能がある訳ですが、「これこそが寸法機能である!」と明言出来る人は、そうそう居ないのではなかろうか?等とも思う訳で

異なるCADとのデータ交換は果たしてどうなのか?という案件はDOS時代からある訳ですが〜
GX5〜-DXF、BMI、IGES、STEP、SXF、、、
パソ協の PCES 1.0 では、寸法はグループ化みたいな感じでしたが、色々な国内CADベンダーが集まって協議した結果でのその対応は、やはり、当時DOS時代での現実を示していたのかもしれません。

等と、だらだらと懐古厨な話でも書いてみるw